次にご紹介したいのは近代絵画の父といわれる黒田清輝である。黒田は日本の近代美術史の歴史の中で大きな影響を与えた。今までの日本の絵画とは大きく異なった写実画「湖畔」は近代日本の美術界に影響を与えた黒田の傑作だ。

今までの日本絵画の印象とは一風違い、明るい色彩にあふれた作品は、"紫派"と呼ばれ、近代日本美術界に新風を吹き込むことになった。 この鮮やかだが優しい色使いは現代のポートレートに似ている。
昔の女性ならではの慎ましさとしとやかな表情で、現代の者にとっては一件表情の乏しさを感じてしまうかもしれないが、一枚の絵の中の構図や色味、モデルの目線や小道具等の効果により絵のストーリーの情景を私たちに連想させる。

現代の写真と比較してみると黒田の絵画も現代のものに似通っているものを感じる。写真もモノクロの時代で絵画も落ち着いた色彩が多かったこの時代の華ともいえる作品だろう。 今回はあえて現代の写真を例に紹介したが、きっと写真の世界でも黒田の作品から多くのインスピレーションを受けとるに違いない。